非古典研究者によって書かれたプラトンについての概説書や入門書は読むどころか見るに耐えないものばかりだが(例外は『プラトンと資本主義』くらいか?)、古典研究者によって書かれたプラトン入門書はどれを読んでも、いろんな意味でおもしろい。本書もまた後者の一つであって、とくに対話篇論と魂論が印象的だったが、個人的には、イデア論をさらに考えるために設けられたコラム3(p242)がとくに魅力的であった。というのもイデア論の申し子、第三の人間論が論じられたも同然であったからである。...
中畑正志『はじめてのプラトン』レビュー
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