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ディオゲネスについて、ディオゲネス・ラエルティオス『哲学者列伝』からの引用

ディオゲネス・ラエルティオス『哲学者列伝(中)』岩波文庫

 (第6巻 第2章)

ディオゲネスとプラトン

p131-133

(二五)  またあるとき、プラトンが贅沢なご馳走の並んだ食事の席で、オリーブの実にだけ手をつけたのを彼は目にして、「賢者であるあなたがシケリアへ渡航されたのは、まさにこういう料理が目あてであったのに、いまこうしてたくさんの料理が目の前に並んでいるときには、あなたがこれを味わおうとされないのはどうしたわけかね」と訊いた。そこでプラトン が、「いや、神々にかけて、ディオゲネスよ、あの地でも、ぼくはたいていの場合は、オリーブやそういったものを食べて過していたんだよ」と答えると、「それならなぜ、シュラクサイくんだりまで出かけて行く必要があったのかね。それとも、あの頃には、アッチカの土地にはオリーブはできなかったというわけかね」と彼は言い返したのであった。ただし、パボリノスは『歴史研究雑録集』のなかで、これはアリスティッポスの言ったことだとしている。 

 また別のとき、彼が乾し無花果を食べていたら、プラトンに出会ったので、「あなたに分け てあげてもいいよ」と言った。そこでプラトンがそれを取って食べると、「分けてあげるとは 言ったけれど、全部食べてもいいとは言わなかったよ」と彼は言ったのだった。

 (二六) ある日、プラトンが、ディオニュシオス(王) のところからやって来た友人たちを自分の 家に招待していたとき、ディオゲネスは敷いてあった絨緞を踏みつけて廻りながら、「プラトンの虚飾を踏みつけてやっているのだ」と言った。これに対してプラトンは、「ディオゲネスよ、君は見栄を張っていないと見せることによって、かえって、どれほど多くの見栄を人前にさらけ出していることか」と応じた。 ただし、ある人たちの伝えるところでは、ディオゲネスが言ったのは、「プラトンの見栄を踏みつけてやっているのだ」というのであったが、これに対してプラトンは、「いかにも、ディオゲネスよ、君はまた別の見栄でもってそうしているのだ」 と応じた、ということになっている。しかしながら、ソティオン が(『哲学者伝』の)第四巻のなかで述べているところによると、いまの言葉は、このキュニコス派の哲学者が(第三者に対 してではなく) プラトンその人に向かって直接に言ったのだということになっている。 

 ディオゲネスがあるとき、プラトンにぶどう酒を所望し、同時にまた乾し無花果もねだった。 そこでプラトンが酒甕をまるごと送ってやったら、「君は、二たす二はいくらかと聞かれた場合に、二十と答えるだろうか。それと同じで、君は所望されたものに応じて与えることもしな ければ、訊ねられたことに応じて答えることもしないのだ」というのが彼の返事であった。そ れでプラトンは彼のことを、とどまることを知らぬお喋りだとあざ笑ったのであった。 (二七) ギリシアのどこですぐれた(勇気のある)人たちを見かけたかと訊ねられたとき、「すぐ れた人たちはどこにも。だが、すぐれた子供たちなら、ラケダイモ ン(スパルタ)で見たよ」と 彼は答えた。 

不思議がるディオゲネス

 あるとき、彼が真剣な調子で話をしているのに、誰ひとり近づいて来ないので、彼は鼻歌ま じりにしゃべり始めた。すると、人びとが大勢集まってきたので、くだらぬお喋りには真剣に なって聞きに来るのに、真面目な話は軽蔑してのろのろとやって来るといって、彼はその人た 

ちを咎めた。 

 また、競走の際には、隣りの人を肘で突いたり足で蹴ったりして、人びとは互いに競い合う のに、立派な善い人間になることについては、誰ひとり競い合おうとする者はいないと彼は言 っていた。 

 また彼は、文献学者がオデュッセウスの落度はいろいろと探し求めているのに、自分自身の それには無知のままでいることを不思議がっていた。 

 さらに、音楽家がリュラ琴の絃は調子を合わせるのに、自分の魂の状態は不調和なままにし ていることに彼は驚いていた。

  (二八) さらにまた、数学者たち(天文学者でもある)が、太陽や月には眼を向けるけれど、自分の足下にある事柄は見のがしていることや、弁論家たちが正義について論ずるのにはきわめて熱心だけれども、これを少しも実行していないこと、いや、それだけでなく、お金好きの人たちがお金をけなしているくせに、これを過度にほしがっていることに、彼は驚いていた。 

 また、財産よりまさっているからという理由で正しい人たちを称賛しながら、他方では、 第大きな財を蓄えている人びとを羨んでいる連中を、彼は非難していた。 

 また、健康であるようにと神々に犠牲を捧げておきながら、まさにその犠牲式のさなかに、 健康に反するほどのご馳走を食べること、彼をいらだたせていたことであった。 

中指を突き出すディオゲネス

p138

 またあるとき、他国の人たちがデモステネスに会いたがっていると、彼は中指をつき出して 「ほら、これがアテナイ人たちを煽動している男だ」と言った。

白昼にランプに火をともすディオゲネス

p144

(四一) 彼は白昼にランプに火をともして、「ぼくは人間を探しているのだ」と言った。

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thethirdman

Y先生には「君には言いたいことが何かあるのは分かるけれど、それが何であるのか分からない」と言われ、H先生には「何かの本質をつかんでいるとは思うけど、それが何かってことだよね」と言われたと話すと「それはそのままthe third manさんのキャッチフレーズになりますね」と。

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